はじめに
人事が見ている3つの評価ポイント
グループディスカッションの形式やトピックは様々ですが、チェックされるポイントは共通しているところもあります。そこで評価ポイントを3つあげそれぞれについて説明します。
どんな点が見られているのかを意識するだけで、グループディスカッションへの臨み方が変わるはずです。
論理的思考力
どんなテーマがあげられるかは企業によって違いますが、多くの場合単純には解決できないものです。正解がないこともよくあります。
しかし、その中でもグループ全体の意見をまとめながら、論理的に筋道をつけて結論を出す思考力が求められます。感覚的にならずに粘り強く、自分やグループなりの論拠を明確にする必要があります。
協調性
グループディスカッションならではの評価ポイントに、チームの中で協調性をもって振舞っているか、という点があります。スキルがあって自分をアピールする力が高くても、周囲の意見に耳を貸さなかったり、独善的だと組織で動く際にトラブルの種になってしまいます。
入社後、きっちりと周囲と連携を取りながら仕事ができるのか、これは重要な判断ポイントです。自分がいかに有能かを見せる場ではないということを覚えておきましょう。
積極性
自発的に考えて、解決法を模索していけるかという積極性も見られています。入社後もただ上司から言われたことをやるだけでなく、自ら提案や発言することが求められます。その能力が備わっているかを判断されます。
グループディスカッションの役割
グループディスカッションにはだいたいの場合、役割が存在します。就活生同士がグループ内で話し合って役割を決めることが多いです。
代表的な役割は司会者、書記、タイムキーパー、発言者です。それぞれの役割で求められることは異なります。
司会者
「司会者」はその名前の通りグループディスカッションの司会を行います。議論全体の流れを提案したり、それぞれの意見を取りまとめる役割です。活発な議論を促すことが求められ、リーダーのように決断する役割というわけではありません。みんなを引っ張るというよりも、より良い議論の場作りをすることが大切です。
あまり話さない人にも話をふったり、論点を整理したりといった仕事をできると評価が高くなります。ほとんどの場合において初対面の人達と行うので難しさもありますが、その分うまく役割をこなせれば高評価に繋がります。
書紀
「書記」はディスカッションの内容を整理しながら書き出していく役割です。書記の書いている用紙やボードを見ながら議論は進むので、重要な役割です。話さなくてもよいというわけではありませんが、話す以外の面で議論に高い貢献ができるポジションです。
ただ話されている内容を書いていくのでなく、共通の意見や対立点をわかりやすくまとめられると良いです。図などを用いるのも有効で、最終的なプレゼン発表でも役立つように書けるとさらに価値が高いです。
タイムキーパー
「タイムキーパー」は時間を測る役割です。グループディスカッションには必ず制限時間があります。いくら興味深い議論が進もうとも、時間になっても結論までたどり着けなかったら全く評価になりません。その意味で時間を管理するタイムキーパーの役割は重要です。
しかし仕事の内容としてはそこまで大変ではありません。場合によっては司会者、書記、発言者といった役割と兼任することになります。
発言者
司会者、書記、タイムキーパーを一人ずつ選んだら、あとの人は「発言者」になります。最も人数も多く、積極的に意見やアイデアを出すことが求められます。
しかし、ただ意見を出すだけでなく、議論が逸れそうであれば指摘したり、司会者や書記のサポートをしたりとそのグループによって臨機応変な対応が大切になります。
ちなみに、この役割をこなせば評価が高いという役柄はありません。きっちりと議論に貢献できれば発言者の一人でも評価されます。自分が得意だと思う役割を全うしてください。
グループディスカッションの流れ
グループディスカッションの具体的な進行についてお話します。全体の流れを把握しておくことは、落ち着いて議論に参加するためにも大事な点です。
全体の役割や時間配分を決める
まずグループディスカッションで議論するテーマと制限時間が与えられます。いきなり議論に入る前に、このディスカッションでの役割を明確にすることが多いです。
必ずしもやらなければいけないわけではないですが、役割が決まっているとスムーズに進みます。事前にしていなければ、この時に簡潔に自己紹介もします。氏名、大学名、意気込みを一言くらいであまり長く話して時間を使わないようにします。
また時間配分を決める必要があります。具体的にはいつまでにアイデアを出し合い、いつからまとめ始めるのかなどです。予備の時間を考えておくなど、余裕をもったスケジュールを組めると慌てません。時間は足りないことが多いので、決めた配分はきっちりと守りたいです。
課題を共有する
抽象的な設問の場合には、その課題によってイメージすることが就活生によって異なることもあります。このお題はどんな意図があるのかについてグループ内で共有しておくと話が脱線しにくいです。
例えば「店舗の営業を伸ばして売上を50%上げるには?」などの課題であれば、そもそもどの地域のどんな業種のお店なのかなどを定義しないとなかなか議論が成立しません。
他にも「グローバル社会に対応するためには?」との課題に対し、グローバル社会とは「海外に出店すること」なのか、「海外から輸入すること」なのか、「外国人を雇うこと」なのか様々な考えが浮かび上がると思います。その中でも何を持ってグローバル社会とするのか他の就活生としっかり共有し、同じ考えで議論を進めていく必要があります。
アイデアを出し合う
結論に至るまでの様々なアイデアを出していきます。数を出すのも大事ですが、あまり方向性がぶれないようにしたいです。自分の意見を出すだけでなく人の意見をよく聞き、相手の発言を補足したりまとめていくと、議論がかみ合ってきます。議論中の雰囲気も大事です。
結論を出す
グループ内での結論を出していきます。多くのアイデアが出たと思うので、同じようなアイデアはまとめるなど整理していくと結論が出やすくなります。
もし意見が割れた場合でも、多数決で結論を決めないようにしてください。難しいところですが、それぞれが譲歩し、合意をとることが大切です。
プレゼンする
最後にプレゼンするまでがグループディスカッションです。結論を出す段階からどんな発表にするかを意識しておくとうまくまとまります。
結論から伝え、根拠や具体例を交えながらわかりやすく発表すると評価も高くなります。自分がプレゼンターでなくても、他のグループのプレゼンでもしっかりと耳を傾けてください。
グループディスカッションの3つの心得
グループディスカッションは慣れないと陥りがちな失敗があります。よくある失敗のケースなどを取り上げつつ、大事にすべき3つの心得をお伝えします。
グループのメンバーはライバルではなく仲間
グループのメンバーは同じ会社を志望する就活生という意味ではライバルですが、グループディスカッション中では仲間です。健全な議論を進めるために協力し合わねばなりません。
もしお互いで足を引っ張り合って議論がうまくいかないと、そのグループ全員が不合格になってしまうということもあり得ます。どんな意見でも頭ごなしに否定せず、受け止めながら議論を深めていってください。
発言が少なすぎるのはNG
あまり自分の意見ばかりをずけずけと言ってしまうのはよくありませんが、発言が少なすぎるのもよくありません。たとえ深く考えているのでも、面接官には伝わらないこともあるからです。
消極的だったり、やる気がないと判断されてしまっては合格しません。周囲を様子を見ながらも積極的に発言していきましょう。
時間内に結論をしっかり出す
議論は盛り上がって楽しく進んだものの、時間切れで結論が出なかったということがあります。こうなってしまうと失敗です。活発な意見が飛び交うときだからこそ、冷静に時間配分などを考えながら、プレゼンというゴールに向かって議論を進める必要があります。
練習を積めばグループディスカッションも怖くない
グループディスカッションの攻略法について、大事なポイントから役割分担、全体の流れまで説明しました。とくに最初で慣れないうちは、うまくいかないことが多いと思います。
いざ直前になって焦らないように前々から準備や練習を重ねておくことが大事です。何事も経験なので回数をこなせば落ち着いて臨めるようになります。
ぜひイメージトレーニングを重ねたり、日頃の話し合いの場での自分の立ち振る舞いを意識するなどして、本番に臨んでください。