はじめに
志望動機NG集6選
志望動機の書き方は、どうすればよいのでしょうか。まず「志望動機で書いてはいけないパターン」を頭に入れておくといいでしょう。タブーを理解したうえで取り組めば、正しい志望動機の書き方も、おのずと見えてくるからです。
それでは「志望動機NG集6選」を、以下にあげてみましょう。
【NG1】「自分が学びたい」「成長したい」
「御社で仕事をさせていただくことで、自分自身も成長できると思いました」
これ、なんとなく立派なコメントに聞こえますが、絶対NGです。
あなた自身が学べるとか、成長できるとか、そんな学生の都合など、会社は知ったことではありません。いくらそんな動機をアピールしたところで、あなたが会社にとって役立つ人材であることを示せないからです。
学校の志望動機であれば、「学びたい、成長したい」でも通用するでしょう。しかし企業相手ではそうはいきません。会社はあくまで、事業の戦力になる人材を求めているのです。
【NG2】「給料が高いから」
たしかに給料や待遇も、会社選びの大きなポイントですが、志望する段階でそれを言ってしまっては元も子もありません。企業側には「給料にひかれて志望してきただけで、ウチの事業や仕事には興味がないのか」と、思われてしまうでしょう。
志望動機には、給料や待遇のことは書くべきではありません。給料のいい会社を選ぶのがダメとはいいませんが、そこは本音と建前を上手く使い分けていく必要があります。
【NG3】ぼんやりした志望動機
たとえば「御社の気風に魅力を感じ~~」といった志望動機、これはいけません。このようにぼんやりと、漠然(ばくぜん)とした志望動機は、一見どの会社でも使えそうですが、実はどこに出しても通用しません。
ぜひとも御社で働きたい―――そんな熱意を伝えるには、相手企業の特徴を上手く取り込んだ志望動機を示す必要があります。
【NG4】地理条件を重視した志望動機
「家から近いので、通いやすいです」
「故郷にUターンしたいので、地元企業の御社に志望しました」
あなたが採用担当者なら、こんな志望動機を聞いてどう思うでしょうか?
「だったら、別にウチじゃなくてもいいじゃん」―――そう思っちゃいますよね。たしかに地理的条件も、仕事選びの要素のひとつでしょう。しかし志望動機にそれを書いてしまっては、企業側に熱意を疑われてしまいます。
【NG5】長く続ける意思がない志望動機
「御社でノウハウを吸収して、将来独立したいです」
「3年ほど御社で勉強して、次へのステップにしたいです」
まあ、こんなことをバカ正直に書く人も、あまりいないとは思いますが……
(念のために言いますと)長く続ける意思がないと思われては、企業に採用してもらうのはほぼ不可能です。どの企業も、基本的には長く働いてくれる人を求めています。すぐに辞めてしまうのが見え見えの人を雇うほど、お人よしの会社はありません。
【NG6】非常識な志望動機
下請けの小さな自動車部品メーカーを受験した人が、こう言ったとしましょう。
「自動車業界でビッグになりたくて、御社を志望しました! 御社を3年で、トヨタに並ぶ企業にしてみせます!」
こんな志望動機を見て、会社の人はどう思うでしょうか。
「元気のいい奴だ、採用!」……とはならないと思います。
「コイツは業界のことを分かっているのか?」とあきれられ、エントリーシートはゴミ箱行きとなるでしょう。夢やガッツのあふれる若者らしさは、企業にも好まれます。かといって、あまりに非常識なことを書いてしまうと、社会人としての能力を疑われてしまうでしょう。
志望動機を書けない人必見!4ステップで完成!志望動機の書き方
さて、志望動機に書いてはいけないNGパターンをふまえたうえで、いよいよ作成に着手していきます。なかには「志望動機がどうしても書けない」「自身を持って書けない」という方も、いらっしゃるでしょう。
しかし、書き方の大きな流れを押さえてさえおけば、皆さんきっと大丈夫です。以下に、志望動機の書き方の大きな流れを、4ステップに分けてお話ししましょう。
【ステップ1】その業界に興味を持ったきっかけ
どの業界を志望するにしても、あなた自身の実体験で、何らかのきっかけがあったはずです。それを上手くストーリー仕立てにして、志望動機に落とし込む必要があります。
たとえばマスコミ志望の人であれば、こんな記述が考えられます。
「御社の〇〇(時事的なテーマ)についての報道に共感を覚え、マスコミで働きたくなりました。自分も〇〇について、※※の方向性から報道してみたいと思います」
こんな風に、志望するきっかけを、あなたの実体験と交えて記述できると理想的です。
【ステップ2】なぜその会社ではないといけないのか
ここがある意味、もっとも難しいところかもしれません。いくら仕事への意欲をアピールしたところで、「その会社でなくてはいけない理由」を具体的に挙げないことには、会社側に想いがとどきません。同業他社にはない、その会社ならではの魅力にフォーカスし、志望動機に落とし込む必要があります。
たとえば自動車メーカーの営業職を志望するケースを例に挙げましょう。
「大好きな車を売る仕事がしたい」と訴えるだけでは、「じゃあ他のメーカーの営業職でもいいでしょ」と返されてしまいます。
しかし、その会社ならではの魅力にフォーカスすれば、こんな記述が考えられます。
「国産車の中では、御社の〇〇(車種の名前)がいちばん好きです。御社の営業マンとして〇〇の販売に従事し、この車のすばらしさを人々に伝えたいと思います」
このような記述であれば、「その会社でなくてはいけない理由」が表現されているといえます。
ここで気をつけなければいけないことは「良いお客様」にならないことです。 「ある商品(またはサービス)が好きでそれを詳しく知っている」ということは企業にとっては「良いお客様」であり、共に働く仲間ではありません。
あくまで就職活動とは自分の良さを売り込む場所です。商品の良さを説明する場所ではありません。 常に「だから私は~したいと考えている(することができる)」ということを意識するように気をつけましょう。
その会社ならではの魅力を見つけるには、やはり企業研究を十分にする必要があるでしょう。
【ステップ3】自分の長所と企業とのマッチング
こちらは自己PRと通じる点ですが、自身の長所が企業にどのように活かせるのか、またどのようにマッチングしているのかを伝える必要があります。
たとえば、IT業界を例に挙げると、
「日進月歩で進化するITやプログラミングの世界で働いて行くには、同僚や上司など周囲の人と円滑にコミュニケーションでき、協力を得たり連携したりする能力も重要です。 私は学生時代のアルバイト経験からコミュニケーション能力には自身があり、また情報系の勉学を勤しんできました。 貴社業務でもプログラマとして、将来はシステムエンジニアとして必ず貢献できると確信します。」
このように自分がどのような人間なのか、それをどのように活かすことができるのかをしっかりと明示することで、企業にあなたを採用するメリットを明確にすることができます。 もちろん自分の長所には具体的な経験を書く必要がありますが、それは自己PRに書けば問題ありません。
【ステップ4】今後の展望
これもステップ2と通じる点がありますが、とにかく志望企業のことをよく研究したうえで、入社後のビジョンを明確にしておく必要があります。
たとえばコンビニ業界志望者の志望動機として、こんな例があります。
「商品企画を担当して、アニメとのタイアップ商品を作りたいと考えています。現在放送中のアニメ 『▼▼▼』は幅広い世代に人気があるので、コンビニの自社商品とのタイアップに最適だと考えます」
こうした具体的なビジョンを示されると、企業からも「目的意識がしっかりしているな」と評価されるわけです。
提出する前に最終チェック!自分で志望動機を添削しよう
志望動機の大まかな書き方は以上の通りです。あとは細かい間違いがないかチェックして、万全を期しましょう。主なチェックポイントは以下のようなものです。
語尾の統一ができているか
「です・ます調」と「である調」が混在していては、大きな減点ポイントとなってしまいます。語尾はしっかりチェックしましょう。
文が長くなりすぎていないか
熱意を表現するといっても、長ければいいというものではありません。中身のある文章を、適度な長さにまとめましょう。友人にチェックしてもらうのもいい方法です。
論理的な文章になっているか
筋道を立てて、主張を展開する必要があります。これまた友人による客観的チェックが有効です。
まとめ
以上見てきたように、志望動機で大切なことは、なぜその企業でないといけないのか、自分がどのようにその企業で活躍できるかを表現することです。 また、ただ熱意を伝えるだけでなく、熱意が会社に伝わる書き方をする必要もあります。
その企業である必要性を理解し伝えることはとても難しいことでありますが、それは周りの就活生も同じことです。 ここをしっかり記述できれば、書類選考で一歩リードできるでしょう。