はじめに 

OB・OG訪問を活用しよう

就職先を選定する際には、自分が興味を持つ企業の特徴や仕事内容などを知る必要がありますが、そのときに行えるのがOB・OG訪問です。興味のある企業に自分が所属している大学の先輩が働いているということがあります。

 

そのような先輩にアポイントメントを取って会いに行き、仕事内容や会社の雰囲気などについて生の声を聴くことができます。OB・OG訪問は企業研究の1つと言うことができます。訪問を成功させるには、適切な方法を理解する必要があり、訪問で何をすべきかも知っている必要があります。


OB・OG訪問のやり方 

まず、OB・OGを探します。最も簡単な探し方はゼミやサークルの先輩に自分が希望する企業で働いている知り合いはいないか聞いてみることです。家族や知人、親せきに尋ねてみることもできます。そのほかには大学の就職課にあるOB名簿、SNSなどを利用して探すこともできます。ただし、一般向けのSNSの場合は、返信をもらえる可能性が低いので、ビズリーチキャンパスMatcher などのOB訪問に特化したサービスを利用するほうがいいでしょう。

 

先輩を探すことができたらメールか電話でアポイントメントを取ります。メールを送る場合には件名を「OB訪問のお願い(大学名・氏名)」として、宛名には先方の会社名と部署、名前を書きます。文の出だしでは時候のあいさつは不要です。誰からのメールかがすぐにわかるように「突然のメールで失礼いたします。私は○○大学の○○学部に在籍しております○○です」と名乗ります。それから「OB訪問をさせていただきたいと思い、ご連絡致しました」のようにメールをした目的について述べます。この時、連絡先をどのように入手したのか(紹介してくれた人の名前など)についても触れると先方も安心します。またその企業に非常に興味を持っていることや業務内容などについてお伺いしたいということについても伝えます。

 

それから訪問する日を決めますが、自分が訪問可能な期間や時間帯を提示すればその上で「ご都合の良い日はございますか?」と尋ねることができます。また、いつでも先方の都合に合わせられるという場合は、訪問可能な日時は提示せずに先方の都合の良い日時はいつかを尋ねます。最後に「お忙しいところ、誠に恐縮でございますがご検討いただければ幸いです」のようにお願いします。署名の部分には 氏名、大学名、住所、電話番号、Eメールアドレスなどを記します。

 

電話でアポイントメントを取る場合も同様で、最初に大学名、学部名、氏名を述べてから、どのようにして連絡先を知ったか、どうして電話をかけたのかということを伝えます。それから、今、少し話ができるかどうか尋ねます。もし、忙しいと言われたら、都合のつく時間帯を聞いてから電話を切り、先方の都合がいい時間にかけなおします。電話の中で訪問する日程を決め、電話の最後に約束した日時を復唱してから、「お忙しい中ありがとうございました。では失礼いたします。」と言って、先方が電話を切ったのを確認してから電話を切ります。

OB・OG訪問で何をすべきか 

OB・OG訪問を有意義なものにするには準備が必要です。まず、何のために訪問するのかを明確にしておく必要があります。OB訪問の目的は自分が興味を持つ企業に対する理解を深めることです。理解が深まると志望動機作成の材料が見つけられます。また、面接時に効果的な自己PRができるというメリットもあり、その結果、内定を得る確率もかなりアップします。

 

志望動機に関してこの職種が自分に合っているというだけでは、「それなら、他企業でもいいのではないか」と思われてしまいます。ですから、その企業に他社にはない魅力があるからという理由を付け加える必要があります。もちろん、その企業のサイトを見て企業研究するだけでも情報は得られますが、実際に現場で働いているOBに話を聞くなら、サイトではわからなかった企業の魅力に気づくことがあり、志望動機に説得力を加えることができます。

 

自己PRはその企業が求めている特質や技術、能力などに沿っていることが必要になります。ある能力に優れていてもそれが希望の企業にはそれほど必要でないものなら効果的な自己PRができません。現場で働く人と話をすると企業が求めていることは何かがわかる具体的なエピソードなども聞くことができます。より深くその企業について理解した上で自己PRができるので、面接官の心をひきつけることができます。

 

企業によってはOB訪問は必須で、面接時に「OB訪問をしましたか?」と聞かれることがあります。この時に「これからする予定です」と答えるのと、「すでに複数のOBと会って話を聞いている」というのではかなり印象が違ってきます。また、実際に社会人と改まった話をすると面接のための練習にもなります。コミュニケーション能力や言葉遣い、マナーなどは面接時にもチェックされることなので事前にOB訪問で経験を積んでおけば面接で失敗することも避けられます。

 

訪問の前に何を聞くか、また何を話すかといったことも準備しておく必要があります。質問には、就活に役立つ情報、仕事内容、会社の実態、プライベートや働き方などがわかる内容を含めます。就活に役立つ情報というのは、どのように就活して就職に至ったのかという実際のプロセスです。入社の動機やきっかけ、就活でしておいたほうがいいことなどについて尋ねてみましょう。

 

仕事内容については1日の仕事の流れだけでなく、どんな点にやりがいを感じているのか、残業の状況はどうかなどを聞くこともできます。また、企業のサイトから読み取れない現場の実態を聞くことで、自分に合った職場なのかどうかを見極めやすくなります。この会社に入ってよかったと思うことや、上司や先輩との交流、社内イベントなどについて質問してみましょう。プライベートや働き方については休暇をどのように過ごしているか、仕事とプライベートをどのように両立しているかなどについて聞くことができます。これによって、その企業に就職した場合の生活全体のイメージをつかむことができます。

 

聞きたいことがたくさんあっても、先方の都合で時間内にすべて聞けないということもあるので、何を優先的に聞くかを決めておきましょう。事前にその企業や業界について下調べをすれば、ポイントを絞った質問ができ時間を有効に使うことができます。また、企業のサイトからは得られない、先輩の気持ちを中心に聞くようにするといいでしょう。大事だなと感じる点はメモを取るようにします。

 

訪問の際にはマナーにも気を付けましょう。遅刻は厳禁です。また、会社以外の場所で会うことになった場合は、場所をきちんと確認しておきましょう。会った時には最初に名刺を交換します。別れる際には時間を取ってもらったことに対して心からのお礼を述べるようにしましょう。

まとめ

OB・OG訪問にはその企業をより深く理解して、自分に合った職場なのか、理想の働き方ができる場所なのかなどを見極める助けになります。また、志望動機や自己PRに説得力を加えることもでき、社会人と話す機会を得ることで、面接の練習にもなります。

 

訪問をしなくても内定を得られることもありますが、事前に訪問することには多くのメリットがあります。できれば3月、遅くとも6月までには訪問できるように計画しましょう。

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